電子マネーでお年玉を送り合うことがトレンド(詳細は記事「2019年中国春節紅包を通じて中国モバイル決済の市場を見る」)になっている中国において、春節時期、各テレビ番組やイベントにも電子マネーのお年玉を活用して、視聴者のアクティビティを向上させる施策を導入しております。
中国「春晩」のお年玉キャンペーン
春節(旧正月)の前日夜に中国で放送される年越し番組「春節聯歓晩会(春晩)」は、中国版紅白歌合戦とも言われる国民的番組です。中国国内だけでなく、世界162カ国・地域の華人に向けて中継され、全世界で視聴数の最も高い番組です。今年の2月4日に放送された「2019年春晚」の視聴者数は前年を約4200万人上回る、11億7300万人に達しました!視聴者とのインタアクションの一環として、電子決済の急成長している2015年からお年玉キャンペーンを始めました。
高い視聴率を誇るため、重要な露出機会と見なされ,スポンサー競争が年々激しくなっております。中国IT企業御三家の「BAT」の中、電子決済を注力しているAlibaba社とTencent社は既に直近数年のメインスポンサーとして、大きな宣伝効果を得ておりましたため、百度(バイドゥ)社も他の二社に甘んじなく、膨大な協賛金を出し「2019年春晚」のメインスポンサーとなりました。その結果で百度傘下の各アプリの拡散とDLが飛躍的に伸びました。
今回は、春晩スポンサーによる百度アプリのダウンロード促進効果を紹介いたします。
春晩と連携!百度主催の総額9億元(約147億円)の「お年玉バラマキ大戦」!
2015年のテンセントをはじめ、電子お年玉は「春節聯歓晩会(春晩)」とのコラボができております。テレビの掛け声に合わせてスマホを振ると、抽選で「お年玉」として電子マネーがスマホに振り込まれる仕組みを導入されております。そのおかげで、当時利用者がまだ少なかったテンセントのウィーチャットペイ(WeChatPay)は春晩お年玉バラマキの実施をしてらわずか4年間で電子決済市場の4割のシェアを奪い取りました。
今年バイドゥ社はようやく春晩のメインスポンサーとなり、春晩放送当日で番組史上最高額の総額9億元(約147億円)のお年玉をバラマキしました~
もちろん、参加するためには、バイドゥ傘下の各アプリと決済サービスをインストールする必要があります。それで大量のユーザーを獲得することを期待されていました。
バイドゥは147億円の大金を投入したが、期待通りの結果があったか?
春晩お年玉バラマキ大戦の主要目的はバイドゥ社傘下の各アプリのダウンロード数を促進する事で、先ず2019年春晚放送当日のバイドゥ系アプリのダウンロード状況を見てみましょう!
当日、アプリストアへのアクセスが多すぎた為、Apple、Huawei、小米など各社のアプリストアは次々サーバーダウンが発生していましました。
Appleアプリストアの無料Appのランキングを見ると、1位は「百度APP」、2位と3位はバイドゥ傘下のショート動画アプリ「好看視頻」と「全民小視頻」,4位はバイドゥ傘下の情報共有系アプリ「看多多」、6位は「百度BBS」、ランキングの上位はほとんどバイドゥ社の各アプリに占められました。
大晦日から三日間の百度(バイドゥ)系のアプリ別新規ダウンロード数を見ると、バイドゥの中核プログラム「百度App」は三日間で2,132万回ダウンロードされ、中国版Googleマップともいえる「百度地図」はその次で1035万回、最近人気急増の情報共有アプリ「看多多」も886万回ダウンロードされました。そして、市場が伸びにくい検索エンジン・SEMサービスの代わりに開発されたショート動画アプリの「全民小視頻」&「好看視頻」は合計800万以上の新規ダウンロードを獲得し、これからの利益成長を牽引していく領域と期待されております。
ただ三日間で、百度(バイドゥ)系のアプリは合計で5,154万回ダウンロードされ、DAU上昇、ブランド認知度アップなど別の貢献を除き、新規ユーザー獲得だけで計算すると、200~300円ぐらいの単価まで抑えられており、十分な効果を得ていると思われます。
新規ユーザーの獲得のみならず、春晩お年玉バラマキ作戦はDAUの上昇にも大きく貢献しました。百度(バイドゥ)系アプリ全体のDAUは普段1.6億人上下を維持しておりますが、2月4日イベント当日のDAUは3億人以上引っ張られました!
また、春晩お年玉バラマキ作戦が実施して一週間の平均DAUを実施前一週間の平均DAUと比べると、百度(バイドゥ)系全体は5.36%上昇し、期待されている新鋭メディア「好看視頻」は9.74%、「全民小視頻」は23.25%伸びました!
春晩スポンサーをめぐる競争、これからもどんどん激化する!
春晩のスポンサーは中国のIT大手会社にとって、必争の地とも言えます。スポンサーコストが年々高騰しつつありますが、プロモーション結果が期待できます。テンセントのWechatPay、DIDI、アリババのアリペイなど、一気に事業を伸ばした成功事例が沢山ありまる。それ故、春晩スポンサーは市場シェアを奪う最も重要なチャンスとも言われています。
これから春晩スポンサーをめぐる戦いの勝者はどの企業になるのか、引き続き注目しましょう!
訪日中国人旅行者を集客するにぴったりな施策!
中国検索エンジン施策の百度(バイドゥ)の実施を考えの企業様向けのパッケージプラン!
「検索エンジン広告運用+ページ制作」の一括提供して簡単に始められる百度(バイドゥ)プランとなります。弊社実績複数、運用を繰り返していくと、広告投入額の数十倍の実績を上げることが検証されております。
【関連記事】
sai
最新記事 by sai (全て見る)
- Weibo(ウェイボー)運用サービス|中国版「Twitter」を活用することでより拡散を図る! - 2021年10月18日
- WeChat運用代行サービス|中国マーケティングで欠かせない施策 - 2021年10月7日
- 中国ECキャンペーン新動向ーー2021年818キャンペーンデータ - 2021年8月26日