近年、中国の大手各社が戦っているECの「戦場」で、「ブラックホース」と言われるプラットフォームが現れ、注目されるようになりました。
その名は拼多多(pinduoduo)です。
2019年通年、拼多多(pinduoduo)の売上が10,066億元(約15兆円)を達成し、前年比113%増となっております。圧倒的な勢いで成長してきております。
※拼多多(pinduoduo)の自社決算表より
一体、拼多多(pinduoduo)とは何のECでしょうか?本文では簡単に紹介していきます。
目次
拼多多(pinduoduo)がなぜ注目される
拼多多(pinduoduo)は2015年に誕生し、2018年拼多多(pinduoduo)がアメリカのNASDAQ(ナスダック)で上場し、時価総額約300億ドルと推定されております。2年3ヵ月間を経た2018年の初頭、プラットフォームの取引金額がすでに千億を超えました。その数字を達成するため、タオバオ、京東(JD)のような中国大手ECモールはそれぞれ5年、10年の時間をかけてきました。その高い成長性で業界にて注目を浴びてきております。
拼多多(pinduoduo)の仕組み及びビジネスモデル
拼多多(pinduoduo)は一言でいえば、B2CのSNS ECプラットフォームです。「拼(PIN)」は中国語で「共同購入」という意味で、プラットフォームの名前通り、顧客が友人、家族に共同購入を誘うことで、より低い金額で商品を購入できるシステムとなっております。
また、そういったSNSのコンセプトが拼多多(pinduoduo)のあらゆる方面に浸透し、独自のEC仕組みまで成長してきております。従来のECモールはいずれも流入増加の課題に直面しておりましたが、拼多多(pinduoduo)でSNS ECの要素を入れているため、継続的なトラフィックが獲得できることが特徴になっております。
拼多多(pinduoduo)のユーザー属性
2019年12月年、拼多多(pinduoduo)のアクティブユーザー(購入顧客)が5.852億人で、前年に比べ、1.67億人増えました。
※拼多多(pinduoduo)の自社決算表より
deepinsightappのデータによると、拼多多(pinduoduo)のユーザーには下記分布特徴があります。
拼多多(pinduoduo)ユーザーの年齢分布
他のECと同じく、25-35歳のコア消費者が主流となっております。
拼多多(pinduoduo)ユーザーの地域分布
拼多多(pinduoduo)の本部が上海にあり、上海及び東沿岸部のマーケティングがよりされていると考えられます。
拼多多(pinduoduo)ユーザーの性別分布
買物する時に比較しがちな女性がやはり多い傾向にみられます。
拼多多(pinduoduo)の成長から見る中国のEC市場
実は拼多多(pinduoduo)の勢いの背後には、中国ECとSNSの全体変化も反映されていると思われます。
市場背景
OPPO、vivo、小米をはじめ、中国国産のスマートフォンの市場の増加とともに、三、四級レベルの都市にもスマートフォンを浸透できているようになっております。実は一、二級の大都市より、それら都市のユーザー数の増加、EC購買力がより見込まれる時代にもなってきております。
一方、Facebook、Instagramと同じく、WeChat、Weiboなど中国のSNSもEC市場に参入する動きがありました。その時点で、「EC+SNS」といった形のECプラットフォーム拼多多(pinduoduo)が生まれました。
ビジネスモデル
拼多多(pinduoduo)のビジネスモデルは最初、ただのプロモーション手段でした。つまり、WeChatアカウント内のコミュニケーションを通じ、より広く拡散できることが目的でした。その後、拼多多(pinduoduo)の運営により、徐々にビジネスモデルとして成長してきました。
ユーザーの購入心理として下記見られます。
良い商品を安く買いたい→安く買える方法がある→シェアに参加する
●拼多多(pinduoduo)が多くのユーザーを参加させることに成功しているといわれていますが、ただ参加するためにはユーザーがアクションしないと思われます。参加させる理由が必要です。
●また、商品を安く買いたいのがユーザーの購入ニーズですが、安い商品を買いたいわけではなく、お得で商品を買いたいはずです。拼多多(pinduoduo)がその理由を付けました:シェアしたら、安く買えますよ。
そして皆さん参加してお得で商品を買います。
それでシェアによる更に拡散され、参加されるユーザーが増えつつ、プラットフォームへの流入が多くなります。
SNS(WeChat)を活用したSNS EC
実はソーシャルECに着目して、様々なプラットフォームができております。例えば、「商品紹介記事投稿+ソーシャル購入」モデルのRED、微店等WeChat(ウィーチャット)に依存しているECモールがあります(詳細は「Wechat(ウィーチャット)ミニプログラムのEC活用」記事をご参照ください。)
WeChat(ウィーチャット)が中国モバイルトラフィックの50%以上をしめており、多くのユーザーがおります。WeChat(ウィーチャット)のトラフィック、決済機能、プロモーション機能を活用することで、成長を加速させました。
勿論、顧客にとって、お得で買物できることがメリットがある一方、ブランドの知名度や信頼性など商品の質等で課題も潜めておりますが、中国のECの一つの趨勢として研究する価値がありますでしょう。
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sai
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