日本と比べると、中国のインターネット広告投入は全体広告費用において、より高い割合を占めております。
中国前瞻産業研究院が発表した2017年度「インターネット広告業界市場前瞻及び投資戦略企画分析報告」によると、中国が2012年では、インターネット広告市場が全体広告市場の約16%を占めておりましたが、2016年は45%近く、2017年には約半分を占めております。更に、2018年における中国インターネット市場規模は5,000億元(約8.3兆円)を超える見込みで、日本と比べると数字が大きいです。
これには中国国内のインターネット通信環境、情報普及及びユーザの利用習慣に大きくかかわっていると考えられます。
中国インターネット情報センター(CNNIC)は中国におけるインターネットの普及と使用状況に関する最新データを発表しました。全体傾向として、今では中国のインターネットユーザーがよりプラットホームの差別化を求め、オンライン・オフラインの融合が加速しております。
今回は2018年1月に発表された「中国インターネット発展状況統計報告」を元に、中国におけるインターネット利用の最新データを把握していきます。
❊下記データは「第41次 中国インターネット発展状況統計報告」(以下「本レポート」を言う)より抜粋
中国インターネットの利用ユーザ状況
本レポートによると、2017年12月時点中国インターネットユーザー利用規模が7.72億に達し、前年度より4,074万人増えました。インターネットの普及率は2016年より2.6%増の55.8%です。利用ユーザー数も増え続け、インターネット環全体も進化しているとみられます。
【2017年度中国ネットユーザの規模及びネットの普及率】 単位:万人
中国インターネットユーザの利用デバイス
インターネットの接続デバイスに関して、2017年12月時点、中国におけるスマートフォンによるインターネット使用者数の割合が97.5%に達し、2016年より2.4%増加し、過去最高を記録しました。一方、デスクトップ、ノートパソコンの利用率はそれぞれ53.0%と35.8%で、2016年より減少しております。特にデスクトップの利用率の減少が目立ち、7.1%が減っている状況です。また、テレビでインターネットに接続するインターネットを使う割合が28.2%で、前年より3.2%増えました。
ほとんどのインターネットユーザがスマホ等のモバイル端末を利用している為、今後制作・施策を実施される際はスマホなどのモバイルの要因も考える必要がございます。また、テレビでインターネットに接続することも多く見られるなり、インターネット接続可能なテレビも広告の露出デバイスやデータ収集メディアとして多く利用されるようになりました。
一方、PCの利用率が下がりつつあります。
【2017年度中国インターネットユーザの利用デバイス】 単位:%
中国ユーザのインターネットの利用時間
中国インターネットユーザは週間平均で27時間インターネットを利用しており、前年度より0.6時間が増えました。
中国インターネットユーザのネット利用時間が年々増えつつあり、ネットへの依存性が高くなっていることが見られます。
【2017年度中国インターネットユーザの週間利用時間】 単位:時間
中国インターネットユーザの利用内容
インターネットユーザ、スマホなどモバイル端末ユーザの増加につれ、中国インターネットがソーシャル、メッセンジャー、金融、交通及び生活サービスなどの機能を求め、特にオンラインデリバリーサービスのユーザーが急増し、伸率が64.6%にも達しております。
メッセ―ジャーが依然と最も利用されるアプリで、それ以外、音楽、ショッピング、金融、旅行等ジャンルが豊富化に見られます。生活レベルが向上している中、ユーザのニーズも多様化になってきております。
【2016年-2017年アプリ毎中国インターネットユーザ数】 単位:万人
中国インターネットに関するその他情報
最後に、もう一つ特筆したいことがあります。それはネット規制という中国独特なネット事情です。
日本とは違い、中国でネット規制があります。内容として大まかに2つにわけられます。中国国内で流れるデータの規制と中国国外からのネット通信規制があります。Google(グーグル)、Facebook(フェイスブック)、Twitter(ツイッター)、Line(ライン)、Youtube(ユーチューブ)など中国以外の地域で普及しているメディアにほとんどアクセスできなくなっている状況になっております。中国国内から他国のサイトにアクセスする際に「サイトは見つかりませんでした」という表示は屡あります。その時はVPN(仮想プライベートネットワーク)を利用すればある程度解消ができます。VPNで接続すれば、本来中国で見ることができないサイトも少し前までは問題なく繋がりましたが、中国政府当局がVPN対策の強化により、最近VPNに繋がらない事態が頻発するようになってきました。中国向けデジタルプロモーションを行う際には留意すべきことだと思われます。
中国におけるインターネットの方向性
プラットホームは差別化が求められる
メッセンジャー、検索エンジン、ネットニュース及びソーシャル等の基本アプリのユーザが増えながら、差別化を図るために、各サービスとのつながりを拡大しております。例えば、検索エンジンでは人工知能検索市場に力を入れることになります。各ソーシャルプラットホームの機能が完備されつつ、ソーシャルネットワークが「すべてにつながる」に発展してきております。
オンラインとオフラインの融合が加速
デリバリーのようにオンライン・オフライアンの市場ニーズが高くなっており、他のサービスもオフラインとの融合が進んでております。例えば、オンライン旅行予約は旅行業界との戦略的な提携を強化し、旅行テーマを多様化させ、商品とサービスで市場シェアの拡大を図っています。
エンターテインメント産業は繁栄期を迎える
2017年エンターテインメント分野のインターネットユーザーが急増し、繁栄期を迎えました。例えば、生中継ユーザーの年間伸び率が過去最高で22.6%に達しました。エンターテインメントの中、成長率の最も低いオンラインゲームも5.9%の伸び率に保っています。
中国インターネット環境が毎年激しく変化しており、中国の方々をターゲットにプロモーションする際には、リアルのデータをもとに、メディアやコンテンツを選別することをご推奨いたします。
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sai
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