レポート

中国ママ・ベビー用品消費者像完全分析!~2017年ママ・ベビー用品消費者調査研究レポート(前編)~

2015年、中国一人っ子政策が廃止したことはママ・ベビー用品市場にも大きな影響をもたらしました。今後更に伸びる中国ママ・ベビー市場について、消費者のニーズを研究し、市場の動向を今のうち把握しておくことが重要になっております。
本レポートは妊娠準備から、妊娠中、産後まで段階別の消費者に対し調査を行いました。ママ・ベビー消費者の習慣、利用メディア、消費行為等ついて分析しました。
本文は前編として、中国ママ・ベビー用品消費者の実像をご紹介したいと思います。

育児網 &群邑:2017年ママ・ベビー用品消費者調査研究レポート
(原文)育儿网&群邑※:2017母婴人群调研报告

※育児網:中国最大のオンライン育児メディア;群邑(グループエム):世界最大の メディアコミュニケーション・エージェンシー

▶ポイントまとめ

・中国のママ・ベビー市場は新たな成長期を迎え、半数の家庭が二人目の子供を産むことを検討
22-32歳のママが8割、大卒がメイン、理性的消費
・有名人より、専門家や権威のある方の影響力が大きい

・オンラインでママ・ベビー商品を消費する際、総合ECがもっとも利用され、品質がもっとも重視されている


◎背景


・2015年中国の
出産率が1.2%で、ママ・ベビー人口が1659万まで増加
・ママ・ベビー商品の市場が2020年に3.5兆元(約58兆円)になる見込み、市場が大幅拡大

2015年、中国で十数年以来実施されてきた「一人っ子政策」が廃止され、「二人目の子」を産むことが全面的に許可されるようになりました。その施策は中国の高齢化が進むことを加味した上、打ち出された政策だと思われます。短期的な影響として、「一人っ子政策」の廃止はママ・ベビー用品消費を促進されると思われます。例えば、毎年200-300万人の新生児が増えれば、ママ・ベビー市場の消費が10-20%に増加、一人当たりの新生児が1.5万元(25万円)の消費をもたらした場合、ママ・ベビー消費額が300₋450億円に増加すると見込まれます。また、中国での経済水準、消費理念の変化にて、よりママ・ベビー消費額の増加があると考えられます。

◎消費者属性


全体概要:半分の家庭は二人目の子供を産む希望
年齢分布:1985年₋1995年生まれのママが約8割
学歴:大卒がメイン
興味:興味の高いTOP3の話題はママ・ベビー、健康養生及び女性関連話題で、エンターテイメント及びファッションはそれに次いで、興味度が高い;ママ・ベビー話題の中、ベビーの健康、教育にもっとも興味がある。

・消費動向:ママ・ベビー用品消費者は感性的と捉えられやすいが、実は理性的に買い物をしている。買い物する際、実用性をもっとも重視し、買い物する前、他人の意見を求め、買い物した後積極的にシェアする。権威、専門家及び口コミを信頼している。
その他:専業主婦の割合が15%程度

1985年―1995年の新しい世代消費者がママになり、ママ・ベビー用品のメイン消費者にもなってきました。彼らは大半良い教育を受け、ゆったりしている環境で育ってきました。そのゆえ、商品消費の理念や習慣も昔の世代と異なります。専門的な意見、口コミを参考にし、より理性的に買い物を行うようになりました。また、インターネットの普及により、彼らの情報収集源も多数存在します。例えば、WeChat公式アカウントの閲覧状況で見れば、データによると、7割以上のママは6つ以上の公式カウントをフォロ―しています。その中、育児/ママ・ベビー関連がもっとも多いです。また、ママはライムラインで子供の写真等を投稿することも好まれます。

◎消費行為


オンライン購入チャンネル:オンライン購入のチャンネルとして、総合ECは49.7%、ママ・ベビ特化APPは31.5%、その次は代理購入(9.3%)と越境EC APP(7.2%)
・重視点:商品購入時の重視点として、品質がもっとも重視されるその他、ブランド、価格が重視されている。
・海外産地:69.1%の消費者は産地への拘りがない。海外ブランドを好む理由として、添加物ない・質がよい・知名度の高さ、評判がよいことにある。
・購入商品:子持ちの家族は子供用品に一番お金を費やしている

22-32歳の消費者は中国ネットショッピングの主要利用者でもあり、ママ・ベビー用品を購入する際も、オンライン購入が多いです。データでみれば、「T-mall」、「タオバオ」、「京東」等「総合EC」がママ・ベビー用品購入でもっとも利用されているECサイトです。2015年の「11.11」キャンペーンでは、ママ・ベビー用品が売上高トップの商品であったこともママ・ベビー市場の大きさを示しています。その市場を獲得していくため、大手総合ECの他、ママ・ベビー用品に特化しているECも続々と出てきています。その中、「贝贝网(ベイベイワン)」❊「蜜芽宝贝(ミーヤーバオベイ)」❊等が代表的で、新たな融資ではいずれも10億ドルの融資を調達しているそうです。
❊「贝贝网(ベイベイワン)」:2014年にリリースされた「フラッシュセールモデル+モバイルショッピング」の垂直型ママ&ベビー用品ECです。
「蜜芽宝贝(ミーヤーバオベイ)」:2014年にリリースされた垂直型のB2C輸入ママ&ベビー用品EC、主に自営で行われています。
同時に、大手ECサイトも「ママ・ベビー商品」の越境ECを強化している動きが見られます。益々激しい競争になりそうです。
これを背景に、海外のメーカーにとっては良いチャンスではありますが、品質を訴求ポイントとして、よりブランディングを強化する必要があると思われます。

ママ・ベビー用品消費者が参考になるメディアは何か?また、どんなメディアをどのように活用してターゲット消費者にリーチできるか?
上記の課題については、また次回詳しくご紹介したいと思います。

 


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sai

日本語同時通訳専攻の在日中国人マーケター。 日本語・中国語言語能力を活かし、インバウンド事業を4年間携わってきており、約100社企業様にインバウンドプロモーションのプランニング支援。

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