皆様のご存じの通り、中国ではソーシャルメディアを使った拡散が非常に普及しており、KOL(key opinion leader)といったインターネットを使った有名人が次々と誕生しています。
2018年6月にiResearhとWeiboで共同発表している「2018年中国网红经济发展研究报告」では、KOLやそのフォロワーの市場規模や特徴、そして今後のKOLを使った市場の発展について述べています。
原文:2018年中国网红经济发展研究报告
(日本語訳:2018年中国KOL経済発展研究レポート)
■KOL人数とフォロワー数が大幅に増加している
直近では中国国内のKOL数が大幅に増えており、投稿のみならず、動画、写真などさまざまなジャンルで活躍しています。
2018年では、10万人以上のフォロワー数をもつKOL数が増え続けており、昨年対比で51%以上増加しております。
中でも、100万人以上のフォロワーを持つトップレベルKOLは23%増えています。
2018年4月時点においてKOLをフォローしているファンは中国全体で5.88憶にも達しており、前年対比25%増加し、大きな市場となっております。
KOLとファンが共に増加していることにより、市場に大きなエネルギーを与えております。
<KOL特徴>
・性別
2018年4月時点において、男性のKOLが全体の50%弱を占めており、女性KOL数とほぼ同等数となっています。今後男性KOLを利用するプロモーションも有効になっていくと見込めます。
・地域別
上海、北京、広州の大都市に多く在住している特徴があります。
・年代別
30代の全体の54%と最も多く、20代が次いでいます。
大学学歴以上が63%占めており、高学歴のKOLが直近増えており、投稿や動画の内容がより専門的で、多様化している傾向があります。
・ジャンル別
お笑い関連やファッション関連が最も多いです。
最近はスポーツフィットネスやグルメ等新ジャンルでの活躍が目立ち始まっていますが、それでも従来のエンタメ関連(お笑い、映画、有名人、音楽)ジャンルが人気となっています。
<投稿内容>
直近では、以下2つの分野が人気を博しています。
①ショートムービー
以前の記事において、中国ショートムービー市場の人気について、述べておりました。
関連記事→日本でも大人気な中国発動画アプリ「Tik Tok(抖音)」はなぜ中国で一気に人気になったか?
2016年での爆発的な成長以降、ショートムービー市場がますます拡大しています。
2020年では800憶元(約1.37兆円)の規模になる見込みとなっています。
そんなショートムービーの魅力として、手軽で利用でき、拡散の速さ、相互的なアクションが挙げられます。
今後のプロモーションにおいて、ショートムービーが利用されることが増えていくと思われます。
②Weiboにおける質問回答
中国国民の生活水準が高まり、生活の品質にこだわる人が増えています。
物質的な満足よりも精神的な満足を求めるようになり、ユーザは従来のコスメ、ファッションオススメよりも知識文化情報をKOLに求める傾向になり、その為、専門性をもったKOLはWeiboでの問い合わせ形式で影響力を高めようとし、そこから収入を得ようとしております。
<マネタイズ>
KOLのマネータイズに関して多元化してきています。
主なマネータイズ方法として、EC、広告、生中継、スポンサーなどとなります。
直近では生中継をするKOLが増えてきており、市場としては成長率が落ち着いているものの、規模がますます増えており、2020年において、1120億元(約2兆円)となることが見込まれております。
EC関連では、ファッション関連でのマネータイズが最も多く、有名なKOLがプロモーションしたことにより爆発的に商品が売れたことが珍しくありません。
■フォロワーの若年化が目立ち、最新情報には常に敏感な反応している
人気KOLと同じように、フォロワーの特徴も変化し始めており、常に特徴を知ることで、マーケティングやプロモーションに活用できるようになっていきます。
<フォロワー特徴>
・性別
女性よりも男性の方が目立っており、2018年5月時点では男性の割合が61%となっています。
・年齢別
フォロワーに関して、年齢の若年化が著しくなっています。10代後半から20代がメインとなり、全体の62.6%を占めています
・関心のあるジャンル
ユーザの関心が最も高いジャンルが「時事ニュース」となります。
世の中に起きているニュースに敏感に反応する傾向があり、エンタメ関連のニュースに高い関心を持っています。
■今後はKOLのマルチタレント化やバーチャルKOLによる影響力が高まっていく
日本でもユーチューバーがさまざまな場面で活躍されているのをよく目にすることがあります。
中国でも今後、KOLのマルチタレント化が目立っていく見込みです。
一つの分野のとどまらず、さまざまな分野やプラットフォームで活動に励んでいくでしょう。
一人のKOLが複数のプラットフォームを駆使し、情報発信していくようになっていきます。
また、すでに芽が出始めているのが「バーチャルKOL」です。
日本では、初音ミクやYoutubeにおいて「バーチャルユーチューバー」と呼ばれるキャラクターがたくさん誕生し、人気が高まってきています。
中国では、洛天依(読み方:ローテンイー)のようなキャラクターがすでに人気をもっており、大きな話題になっています。
バーチャルの強さとしては、キャラクターのインパクトや、内容の多様化があり、今後企業もこういったキャラクターを使ってプロモーションするケースが増えていくだろう。
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chen
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