レポート

KOL一人に3.5億円!!中国で盛んなKOLビジネス

KOL中国向けプロモーションの関係者にとって馴染みがあり、現在中国のプロモーションでは、重要な施策にもなっております。中国のトップKOL「Papi酱」の一広告が2200万元(約3.5億円)に達したことは中国国内でも話題になっておりました。
一体、中国のKOLビジネスはどうなっているか、中国マーケティング分析会社iResearchはWeiboと共同でレポートを公表しました。

 中国KOLビジネス現状レポート

中国网红经济发展洞察报告

【KOL市場現状】
KOL及びそのフォロワーの規模も大幅に伸びている

・2017年10万人フォロワーを有するKOLの人数は2016年より57.3%増
・2017年KOLのフォロワー総人数が4.7億人に達し、去年同期より20.6%増

男性KOLが多く、地方都市にKOLの割合が大きい

・2017年、KOLの中男性の割合が61.4%で、2016年より4%増、女性よりやや多い
・地域をみれば、4級レベル都市のKOLが30.6%を占め、一番多い

生中継と短い動画の投稿が急増

・2016年10月から2017年5月、Weibo生中継の視聴人数は新たに増加
・グルメ・ゲームの生中継が視聴人数がもっとも伸びており、伸び率は300%以上
ファッション、エンターテイメント、コスメ、ベビー等の生中継の増加率も100%程度
・2016年5月より、KOLのオリジナル短い動画の再生数が増えつつ、2017年3月は前年比209.4%増

多様な方法で収益化

・KOLはEC、広告、フォロワープレゼント、有料サービス等多様な方法で収益を獲得
「KOL+EC」のモデルで取引規模が拡大しつつあり、Weiboとアリババの提携しているタオバオ商品展示用の「Weibo橱窗」の日間取引金額及び商品数も連続的に増加し、2017年第2四半期では日間取引金額は5470万元(約8.8億円)を超え、2016年より106.9%増

KOLの急成長には広告媒体環境・消費者の心理の変化に背景があると思われます。
冒頭で言及したKOL広告金額に対し、高いと思われる方もいらっしゃると思いますが、従来の芸能人を利用するプロモーション費用と比べれば、不思議な金額でもないことに気づくでしょう。しかも、テレビ・新聞よりネットが圧倒的に使われる今では、ネット上の影響力が求められます。また、KOLの影響は芸能人程広くないですが、よりターゲティングできることもメリットです。
フォーブス雑誌のデータによると、ブランディング広告でブランドを信頼する消費者の割合はわずか1%に対し、33%の消費者は購入前、人気ブロガーや芸能人の影響を受けていました。今年6月18日のタオバオキャンペーンにて、売上高TOP10のファッション店舗の中、5-6店舗はKOLの店舗であることが分かりました。

【KOLビジネス】

媒体、MCN❊、KOLからなる分業明確な利益共同体
❊MCNとはマルチチャンネル ネットワークとは、複数の KOLと提携し、フォロワーの開拓、コンテンツのプログラミング、クリエイターのコラボレーション、デジタル著作権管理、収益化、営業などを含むサービスを提供するサードパーティサービス プロバイダです。

KOLビジネスは生産段階と消費段階に分けられています。生産段階は「MCN」を中心に、人材、ハードウェアを配合に、KOLチームを作り上げ、また専門的なプロモーション、データ分析チームのプロモーションによる市場化し、最終的に消費されます。KOL陣を作ることもMCNが作り出した商品で、商品の多様化及びコストの低減につながり、広告主に対しても選択肢を広げられてWin-Winの状態を実現させました。
・2017年、Weiboと提携するMCN機関数は480もあり、前年比220%増
・アリババはWeiboと提携で「EC+KOL」に注力し、「微博橱窗」「红人淘」「尤物频道」「微博电商」等複数の社交ECモデルを築き、ユーザの感性消費を促し、コンバージョン率と粘着度を向上させる

KOLビジネスは媒体、KOL、KOLマネジメント会社、EC及び広告主からなっております。「KOL運営」「KOLプロモーション」等専門職も出ているぐらい、KOLビジネスは既に完全なビジネスフローができて、収益が発生できるようになりました。テンセント社のデータによりますと、85%のKOLはすでに広告・EC・会社との契約・起業等形ので収益化しています。

【KOLビジネスのトレンド】

垂直化

分野特化したKOLが大きな成長が期待できる

MCN化

KOLのMCN化は顕著で、トップKOLの中、契約しているアカウントが多い

細分化

MCN領域も細分化する傾向

人気KOL Papi酱(Papiちゃん)も一人運営からチーム運営になり、KOLのMCN化が今後のトレンドとなります。
ただ、KOLビジネスは新しいビジネス業態として、今後の収益性・生中継などに代表されるような配信方法の変化・政策規定の変化など今後直面する課題が増えていくと想定されます。

KOLは常にトレンド変化していくものだと思いますため、引き続き注目していく必要があります。広告主としては、KOLの動向に応じた施策も重要です。

 


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sai

日本語同時通訳専攻の在日中国人マーケター。 日本語・中国語言語能力を活かし、インバウンド事業を4年間携わってきており、約100社企業様にインバウンドプロモーションのプランニング支援。

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