最近、中国のビジネスやマーケティング情報を収集されている際に、ミニプログラム(小程序)という言葉はよく耳にしていますでしょうか?
※本文にあるデータが即速社より
ミニプログラム(小程序)とは?
馴染みのない方も多くいらっしゃるかと存じます。実際中国でも近年話題になっているサービスです。
アプリに似ていますね?アプリとは何が違いますでしょうか?
ミニプログラム(小程序)=ミニのプログラム
簡単に言えば、軽量のアプリプログラムのこととも言えます。
そうしたら、どこが「軽量」でしょうか?
ミニプログラム(小程序)の特徴
ミニプログラムの特徴として、主に下記3点にまとめられます。
✔ ダウンロード・インストール無
✔ 登録必要無
✔ 入口が多様化
ミニプログラムは独立したアプリではないため、いずれかのプラットフォームを依存する必要があります。そのため、ダウンロード・インストールはもちろん必要がなく、ロングインする際は各プラットフォーム既存のアカウント連動すればよいことで、各種登録する手間もありません。
こういった観点でみれば、ミニプログラムは「使い捨てのアプリ」として、軽量で便利です。
ミニプログラム(小程序)の沿革
・ミニプログラム(小程序)の誕生
ミニプログラムが誕生した背景として、アプリのデメリットとモバイルインターネットの普及が挙げられます。
1)アプリのデメリット
✔ ユーザーの利用頻度が低い割に、開発費用が高い
✔ アプリの集客コストが高く、モバイルトラフィックは基本トップ5%のアプリに取られている
✔ ユーザーの目線で考えれば、保存できるアプリの数も限られており、アプリのダウンロードに上限が有
・ミニプログラム(小程序)の発展
2017年がミニプログラムの元年
2016年WeChat(微信)は「応用アカウント」とう概念を出して、2017年1月9日に正式的にミニプログラムをリリースしました。
2018年がミニプログラムの急成長の年
2017年ミニプログラムがリリースされてから、2018年WeChatのミニプログラムの総数が120万に達し、ユーザー数が7億を突破、WeChatミニプログラムの開発者のみで100万人もいます。
細分化されてユーザーに向け、コンパクトされたサービスを提供しているミニプログラムが現在より多くのユーザーに利用されるようになり、企業にも活用され、注目度が高くなってきております。ユーザー側はわざわざダウンロードしなくても普段利用する媒体に合わせてミニプログラムを利用することが可能な一方、企業側にとって、各媒体に自社のプロダクトを露出させるが可能となっております。
ミニプログラム(小程序)の流入口
ミニプログラムの使い方の特徴として、独立せず露出する媒体が必要であることが挙げられます。現在、最も普及しているのがWeChat(微信)ですが、実は中国大手IT三社のBAT(バイドゥ、アリババ、テンセント)もそれぞれミニプログラムを出しております。次は各社のミニプログラムについて解説していきましょう。
・WeChatミニプログラム
WeChatミニプログラムイメージ
【利用者数】7億人
【DAU】2億人
前文でも記述した通り、2018年11月、WeChatミニプログラムの個数が120万をこえ、月間ユーザが7億人のを突破しており、現在一番主流のミニプログラムとなっております。
・アリペイミニプログラム
アリペイミニプログラムイメージ
【利用者数】3.8億人
【DAU】1.7億人
実は2017年以前、アリペイアプリのアプリにはすでにミニプログラムに似ているモジュールがありました。2017年正式に「アリペイミニプログラム」を出し、第三者開発者及び企業様に自社のミニプログラムを作成してリリースすることが可能になりました。
・百度ミニプログラム
百度(バイドゥ)ミニプログラムイメージ
【利用者数】3億人
【DAU】1.5億人
2013年百度は「軽量プログラム」の概念を出して、2018年7月には「百度スマートミニプログラム」を正式的にリリースされました。ラッキーキャンペーン等の施策を通じ、現在百度ミニプログラムのユーザー数も伸びております。
WeChatのミニプログラムが現在中国ミニプログラムの市場において、圧倒的にランキング1位に位置しておりますが、WeChat利用ユーザー数の限界にも近いため、伸びが遅くなっていくと思われます。一方、その後にてアリペイミニプログラムや百度ミニプログラム、特に百度ミニプログラムの伸びも無視できなくなっております。実際、プラットフォーム依存のミニプログラムは各社プラットフォームによって特徴も異なり、直接な競合関係がないと思えます。WeChatはソーシャル、百度は検索、アリペイは決済等各プラットフォームの位置づけもミニプログラムに反映されております。
BAT以外、最近今日頭条もミニプログラムに加入しました。そのように、ミニプログラム市場に参入する媒体がますます増えていくでしょう。
媒体のみではなく、中国9大の携帯メーカー(小米,中兴,华为,金立,联想,魅族,努比亚,OPPO,vivo)も端末内でミニプログラムを作っております。
ミニプログラム(小程序)の内容
ミニプログラムの内容でジャンルを分けると、大まかコンテンツ系、ゲーム系、ツール系があります。
・コンテンツ系ミニプログラム
主に各コンテンツ系アカウントの延長線にあるサービスで、コンテンツを通じて付加価値を提供する仕組みになっております。
・ゲーム系ミニプログラム
ゲームアプリに比べ、ゲームのミニプログラムの主要流入口がソーシャルシェアであることが特徴といえます。
・サービス系ミニプログラム
飲食店、EC、生活サービス等より簡単にサービスを提供するプラットフォームとなります。数のランキングとしてツール系36%、EC系11%、生活サービス10%が最も大きいです。
内容別でみれば、ゲーム系ミニプログラムのユーザ在留度が最も高く、飲食店等サービス系のミニプログラムの利用率の伸びが最も高いことがみられます。
ミニプログラム(小程序)の今後
・ミニプログラムの普及
ミニプログラムユーザ数が今後も増えつつ、2020年には10億人程度になり、WeChatの父とも呼ばれている張小龍氏によると、将来2年間以内、「ミニプログラム」が80%のアプリ市場を奪うことと予測されます。
・ミニプログラムの海外進出
現在中国のミニプログラムは主に中国国内ユーザーに利用され、全体の約98.6%を占めており、海外ユーザーがわずか1.4%しか占めておりません。ミニプログラムの普及及び企業様の活用により、今後海外に進出することも期待されております。
・ミニプログラム+ECの活用
WeChatミニプログラムの売上高でみれば、主に飲食、EC、小売りに集中しており、全体の約50%をしめております。「微商(WeChatビジネス)」の成長のように、より多くのユーザーがソーシャルメディア等媒体を通じ、商品を購入するようになるトレンドがございます。各媒体のトラフィックを活用した即時購入を促進する「ミニプログラム+EC」が今後より多くの会社に活用されると思われます。
今回はミニプログラムの基本を一通り紹介しましたが、次回はミニプログラムの使い方について詳しくご紹介したいと思います。
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sai
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