今回は中華圏を中心にアジア全域でインバウンドデジタルマーケティングソリューションを展開しているVpon Japan株式会社 営業本部セールスシニアマネージャーの会田氏にお話を伺ってきました。
中華圏訪日客ターゲティングで工夫していることや今後のインバウンド市場予測等、海外向けプロモーションを実施する際にヒントになるようなことを語っていただきました。是非ともご参考にしていただければ幸いです。
会田氏は、同社の入社前はEコマース・WEB広告メディアの営業を経験。元々、海外市場への興味が強く、中華圏で事業展開し且つインバウンド事業への将来性を感じ、2015年同社代表からの誘いもあり入社をされました。入社後は多くの代理店様や広告主様向けに広告配信支援を行い、現在では営業本部のシニアマネージャーとして海外向けプロモーションの最前線で活躍しています。
簡単に会社概要や海外向け事業内容を教えてください。
2014年8月設立当初から「ニッポンと世界をつなぐ!」という理念のもと、アジアに特化したインバウドプロモーションサービスを提供しております。今年から新たにシンガポールと大阪に拠点を設け、現在台湾、香港、中国、シンガポール、東京、大阪の6拠点で事業を拡大中です。
当社は、アジア圏のインバウンドデジタルマーケティングソリューション領域において2つの事業を展開しております。
まず一つ目は、インバウンドにフォーカスした広告配信サービス。
当社が展開しているアジア圏に特化した「Trata DMP」は、アジア観光客の分野において最大級のDMPであり、6,000万人の観光客の行動データを有しております。そのデータを活用しカスタマージャーニー(旅マエ・旅ナカ・旅アト)に合わせて、適正なターゲティングを行い、広告主様の投資を最大化できるよう提案を進めております。
次に、オーディエンス分析ソリューション。
Vponの保有する訪日観光客のデータを活用した分析ソリューションでは、広告主様サイトのトラフィック分析、オーディエンス分析を通じて総合的にプランニングをサポートしております。例えば、以前は不透明だったサイトへのアクセスユーザーをより深い趣味・趣向・行動特性などを把握することが可能になります。今まで複数の広告プラットフォームに分散されたデータを集約することによって、国ごとに最適なプランを立て、広告配信・運用、更にデータを元に中長期的な配信戦略を提案しております。
今までに実施した成功事例やその内容を教えてください。
高まるインバウンド需要の中で、ある自治体様は運営するポータルサイトを各言語に最適化、さらに中国では現地サーバーへサイトを設置するなど環境を整備されたものの、サイトへのUUが思うように伸びないことへの対策を求められていました。
そこで、Vponの「Trata DMP」を活用し、中華圏に大きな配信ネットワークを保有している点に加え、以前より各自治体様の案件を多く手がけてきた実績を見込んで頂き、キャンペーン実施の依頼を頂きました。クライアント様には年間でのUU獲得数の目標が既にあったため、その数値をKPIとしUU保証プランでの配信を実施しました。
配信戦略として、
1.配信頻度
新規UUを効率よく獲得するために1ユーザーが広告を見る頻度を最小限に絞る
2.配信ボリューム
1ヶ月間の配信期間中、通常は月末近くになるとリーチできるユーザーが少なくなるので、最初の2週間の配信を強化する
3.クリエイティブ(デザイン)
広告キャッチコピー訴求力のABテストを実施するため、各国各月の同一背景画像に異なる文言を設定し同時配信する。配信しながら観察、効果の良いクリエイティブに予算を投下する。
4.クリエイティブ(サイズ)
サイズの大きい素材は、通常配信初期にはUUを多く獲得できるが、月末になるにつれて獲得できるUUが減少傾向にあるので、後期はサイズの大きい素材を停止。
以上の4点を踏まえて、より効率的なUUの獲得を達成いたしました。
海外向けプロモーションにおける気を付けるべき点を教えてください。
日本では実施したプロモーションに対して即効性を求める企業が多いのが現状です。弊社ではできる限り、広告主様の課題に応える為に国ごとに最適なプランを練りご提案をしております。一度配信をしてみて効果が合わないことを理由に次の施策を考えないことよりも、中長期的に施策を継続していく必要があります。
クーポン利用率や売上等の直接目に見える指標ももちろん大事ですが、それ以外の会社のブランド名、商品名などを認知してもらい、日本旅行のタイミングで購入機会を作り、リピーターになってもらう為の全体的なモデル設計をする事が必要です。
クリック数よりもクリックされるユーザの質を上げる事が重要で、リーチしているユーザがきちんと日本旅行関連にセグメントできている事を意識することがポイントだと考えています。
今後のインバウンド市場や自社での展望について
多くの企業様から、オリンピックが過ぎるとインバウンドビジネスは終わるのかとの疑問を頂くのですが、オリンピックに向けて各自治体様や各事業者様がインフラを整備されることにより、オリンピック後もインバウンド市場が喚起されニーズが増えていくと考えています。
Vponとしては、これまで蓄積してきた訪日関連データを従来通り広告主様のインバウンド広告キャンペーンに使用していくことはもちろん、データ自体の利活用の機会をさらに広げ、インバウンド施策で日本を盛り上げていく全てのお客様を対象に、惜しみなくデータの利活用の機会を作っていきたいと考えています。
取材を終えて
データを活用した訪日客ターゲティングにおいて、ターゲットとなる人々の行動特性を知り、適正なターゲットに最適な方法で広告配信することは非常に重要なことです。今回インタビューを受けていただきましたVpon Japan社の成功事例からそのことを改めて認識させてくれています。2020年までの目標を掲げている企業が多くいる中、Vpon Japan社はそれ以降の事業展開もはっきり見据えておりました。言語や文化が異なる中、海外向けビジネスを難しく感じているマーケティング担当が多くいらっしゃいますが、中長期でのプランを立て、着実に少しずつ認知を上げていく事が重要だと感じております。
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chen
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