近年のインバウンド市場の高成長につれ、中国人観光客が日本で爆買いされるニュースも日々上がってきております。中国人の海外旅行ブームを背景に、海外での消費のみではなく、越境ECを通して中国国内から海外商品を購入するニーズも高くなっております。
訪日の中国観光客の集客は勿論重要でありますが、より大きな中国越境ECの市場チャンスをつかむことも必要ではないかと思われます。
それでは、今回の記事は中国越境ECの概要をまとめてみました。
❊参考データ:iiMedia Research社「2019-2020中国越境EC市場研究報告」
一、中国越境EC市場概要
・2019年越境EC取引額(B2C、B2B両方を含む):10.8兆元(約165兆円)
・2020年越境EC取引額予想:12.7兆元(約195兆円)
中国のEC市場規模が膨大な数字になっており、毎年20%の伸び率で成長しております。日本も輸入先国として人気です。その成長には下記3点の理由も考えられます。
◊消費者の価値観の変更
現状のパワーユーザが主に1980年以降~2000年生まれの若年層であり、生まれ育ちの環境や時代も異なりますため、上の世代に比べ、よりオープンで、質を追及するようになっております。
◊中国の経済成長
2019年中国GDP総額が99.1兆元(約1,521兆円)に達しており、前年比6.1%増となっており、高い増加率を維持しております。経済成長につれ、一人当たりの可能消費額も増加して、越境EC購入の経済基礎を確保しております。さらに、格差が大きいため、富裕層の消費額がより大きくなると予想されております。
◊ECプラットフォーム及び物流の進化
EC市場の成長の中、T-mall、JD等実力のある大手ECプラットフォームは機能の追加や自社物流の構築により、ユーザ規模を拡大させました。
二、中国越境EC利用ユーザ概要
・2020年ユーザ人数:2.11億人、41.6%増
・年齢層:20-40歳
・特徴:約6割の消費者は個性、品質、多様な商品またはサービスを求めるようになった
・越境ECプラットフォームの利用決定する際の重視点:本物保証72.7%、品種の多様化46.8%、値段40.3%、物流のスピード33.8%、プラットフォームの口コミ32.5%
上記のデータから、次世代の消費者像の特徴も見えるようになってきました。海外商品を購入するには、一番利用されるのが越境ECです。越境ECプラットフォームの進化とユーザ習慣の変化に原因があると思われます。また、消費者の特徴として、個性、品質、多様性等が求めるようになっていることも特筆すべきかと存じます。次世代のロイヤリティユーザを育成するには、自社商品のブランド、理念をしっかりと認知していただき、消費者から共感を得ることが重要と思われいます。
三、中国越境ECプラットフォーム分析
・越境EC市場シェア:T-Mall国際+考拉海購(網易考拉)52.1%(アリババ系)、JD全球購15.1%、唯品國際10.5%、REDBOOK4.8%、奧買家2.2%、蘇寧國際1.5%、その他13.8%
・越境EC満足度ランキング:考拉海購(網易考拉)8.21、JD全球購8.17、蘇寧國際8.13、T-Mall国際8.11、奧買家8.05、唯品國際7.97
・越境EC信頼度ランキング:蘇寧國際8.3、網易考拉/8.28、T-Mall国際8.27、JD全球購8.22、奧買家7.89、唯品国際7.77
越境ECの市場シェアといえば、やはり直近網易考拉を買収したアリババが最も市場を占めている一方、プラットフォームの信頼性だと、考拉海購(網易考拉)がトップになっております。
以下では、日本商品輸入関連のB2Cプラットフォームについて、簡単に概要をご紹介したいと思います。
全体一覧:
総合プラットフォーム:T-Mall国際,考拉海購(網易考拉),JD全球購
特化プラットフォーム:RedBook,豌豆公主
中国越境ECプラットフォーム(総合)
1.T-Mall国際
中国EC大手のアリババ傘下の越境ECプラットフォーム、アリババシステム及びTAOBAOユーザ規模を利用してユーザ基盤を築いております。現状63の国、約14,500のブランドの出品がございます。またアリババシステムの「菜鳥」物流の開発で、よりよいユーザビリティの実現を狙っております。
2.考拉海購(網易考拉)
ポータルサイト網易(www.163.com)の越境ECプラットフォームであり、自社出品をメインであることが特徴でございます。当社はグローバルサプライヤーとの関係が強いため、商品の品質を守っており、ユーザのロイヤリティが高いです。2019年、アリババに買収されました。
3.JD全球購
中国第2位の総合型のECサイトである京東商城の越境ECプラットフォームであり、もともと電気製品のEC販売がメインであって、徐々に総合型ECサイトまで発展してきております。2015年よりグローバルECプラットホームを展開し、日本製品に特化した販売ページである「日本館」も開設されました。日本企業商品の販売も強化しております。
中国越境ECプラットフォーム(特化)
1.小红书(REDBOOK)
SNS発祥の越境ECアプリ小紅書では製品のレビュー、
2. 豌豆公主
日本輸入に特化したECアプリであり、日本のサプライヤーと提携して、商品を仕入れしていることが特徴です。去年は伊藤忠商事をはじめ、6800万ドルの融資を獲得しました。また、オンラインのみではなく、日本で免税店実店舗を開設して、オンラインとオフラインの提携を進めております。
規模感でいえば、大手ECモールはユーザ数、出品数の面で絶対的な優勢をもっていると思われますが、個性等を求めているユーザにとって、他ECとの差別を付けられるプラットフォームも市場チャンスがあると見られます。
旅行消費(訪日インバウンド消費)の大幅減少により、外需を獲得すべく越境ECに注目している状況を背景に、越境EC市場が急成長している中国市場向けどのように展開すればいいでしょうか?天猫(Tmall)、京東国際(JD)など大手モールに出店する以外に自社ECを構築するのも視野にいれられます。ただ、売り場構築・物流・決済・CS・プロモーションなどいくつかの課題があります。
そのような課題を解決するために、自社展開における、売り場構築・物流・決済・CS・プロモーションまで、一気通貫で中国越境EC展開をサポートできるサービスを提供いたします。
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sai
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