観光庁のデータによると、2017年の訪日外国人旅行消費額は16年に比べ17.8%増の約4兆4,162億円で、過去最高でした。しかし、観光客数も増えている中、全体数字のみを見たら、訪日外国人旅行者の消費推移がつかめにくいと思われます。「爆買」の時代が終わっていると言われておりますが、一体訪日外国人旅行者の消費はどのふうに変化してきたか、各国の訪日旅行者の消費習慣はどのように変化しているでしょうか?
以前の記事「訪日インバウンド消費最新データ(2017年度国・地域比較)」では、国・地域別の消費実態を分析しましたが、今回の記事では訪日外国人旅行者一人当たり消費額の推移から訪日外国人旅行者消費の変化を分析していきたいと思います。
● 訪日外国人旅行者一人当たり消費額の推移(全体)
訪日外国人旅行者一人当たりの消費額推移(単位:円)
● 訪日外国人旅行者一人当たり消費額の推移(国・地域別)
訪日外国人旅行者一人当たりの消費額推移(国・地域別、単位:円)
全体で見ても、国・地域別で見ても、訪日外国人旅行者一人当たりの消費額は204年、2015年から徐々に増えつつあり、特に2015年に一気に増えたことが見られます。円安と2014年10月より実施した外国人旅行者向け消費税免税制度の改正が原因で買物消費が消費額を牽引していたことが考えられます。
また、各国・地域もほとんど全体の一人当たり消費額の推移と同じ傾向で、2015年には上がったことが見られますが、韓国のみが大きく増加していないことが分かりました。
一方、中国を始め、各国・地域の一人当たりの消費額は2015年の増加から2016年、2017年に大幅に減少していることがわかりました。こちらの原因を追究するため、訪日外国人旅行者一人当たりの消費額の内訳を見ていこうと思います。
● 費目別訪日外国人旅行者一人当たり消費額の推移(全体)
(単位:円)
訪日外国人旅行者の消費額を費目別でみれば、買物代がもっとも変化しており、一人当たりの消費額を左右することがわかりました。2011年より、買物代が増えつつ、2015年にはピークになり、その以降は少し下がりましたが、2011年よりまだ高い数値になっております。その他、飲食費、交通費、娯楽サービス費もやや増えております。一方、宿泊料金のみが減ってきました。それは近年から盛んになってきた民泊が代わりに一部ホテルの機能をはたしていることに原因があると考えられます。
● 費目別別訪日外国人旅行者一人当たり消費額の推移(
国・地域別)
1、中国
(単位:円)
2、韓国
(単位:円)
3、香港
(単位:円)
4、台湾
(単位:円)
4、米国
(単位:円)
5、タイ
(単位:円)
中国・台湾・香港旅行者の買物代の増加がもっとも顕著です。韓国・米国の各費目の費用が穏やかに増加しております。タイは買物代のみではなく、2015年には宿泊料金、飲食費、交通費も大きく増加しており、2015年以降はやや落ちている傾向にあります。
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sai
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