中国動画運用

自然な広告露出が主流 ~中国オンライン番組における広告露出~

中国では、インフィード広告のようなユーザーにとって自然な広告露出ができるものが広告主にとって人気があります。直近インターネット発達により、中国ではオンライン番組が増えています。これに伴い、番組内で自然に商品をPRする広告主が増えています。
2019年現在では、オンライン動画のカテゴリーが多元化しており、広告主の傾向も変化しています。同時に、広告演出の手法も次々と新しいものが誕生しています。

中国のオンラインバラエティー動画における広告露出に関する分析結果をもとに、中国のプロダクトプレイスメントマーケティング手法を見ていきましょう。

オンライン番組で自然な露出が人気

2019年上半期でみると、オンライン番組数が減少しているにも関わらず、番組内での商品プロモーションブランドが増えています。近年ではオンライン番組の内容が広告主の移行に合わせて変更することも多く、需要も高まっている状況です。

<左グラフ>
2018年1Q 2019年1Qにおけるテレビ番組数およびプロモーションブランド数
左:番組数比較
右:ブランド数比較

<右グラフ>
2018年1Q 2019年1Qにおけるオンライン番組数およびプロモーションブランド数
左:番組数比較
右:ブランド数比較

中国では、テレビ番組のスポンサーやテレビCMの出稿をするには、数千万以上の費用が掛かってしまう為、大手企業以外はなかなか手を出すことが難しくなります。しかし、オンライン番組であれば、その金額はテレビの金額よりも格安になる為、プロモーションの実施が比較的にしやすいです。

内容別人気カテゴリー

内容別にみると、オンライン番組で露出しているブランド数は「グルメ番組」「オーディション番組」において最も多くなっています。この二つは中国において非常に人気がある番組内容となっている為、その人気がある番組で露出したいというブランドは必然的に多くなっています。しかし、直近では、この二つのカテゴリーにおけるプロモーションブランドが飽和しており、企業同士の競争も激しくなっています。
個数ではまだまだ多くはないけど、直近での傾向として、「音楽番組」「ドキュメンタリー番組」「育児番組」におけるプロモーションブランドが増えています。一般的なユーザーのライフスタイルに密接した内容となっている為、ユーザーに受け入れられやすく、番組の内容に合わせて、プロモーションするターゲティングが定めやすいのも増えている原因です。
反対に、ゲームやインタビュー・文化等の番組ではプロモーションブランドが減少しています。番組の内容次第で効果や商品・サービスに対する評価が変化しやすい為、企業側で安心して実施が難しくなっています。

<2018年上半期、2019年上半期 内容別プロモーション状況対比グラフ>
上グラフ:1番組あたりでのプロモーションブランド数
内容左から・・グルメ オーディション 音楽 ドキュメンタリー 親子&育児 体験&旅行 ゲーム インタビュー 文化
下グラフ:番組数同時期対比

プロモーションにおける注意点

番組内で商品やサービス・ブランドを宣伝したところで、認知度向上につながらない可能性もあります。
オンライン番組でのプロモーションにおいて気を付けるべきポイントとして、プロモーションする商品やサービスが番組が合致性です。まったく関連性のないものを番組内に登場させたところ、ただの露出に終わることになり、見る人が印象に残すことがまったくできません。
中国での成功事例として、、運動やフィットネスを主な内容のオンライン番組で中国古くからある健康維持医薬品をプロモーションしたところ、従来の伝統的な古い漢方イメージよりも「健康維持」のイメージがユーザーに根付いたことで、若年層の購入増加や認知度向上につなげることができました。

中国大手企業の実施例

大手企業の実施例として、中国におけるシェア率が最も高い検索エンジン「百度」が注力しているAIスピーカー「小度」もオンライン番組を通してプロモーションを行った例が挙げられます。
番組内のセリフで商品名を引用したり、キャストが使用する小道具としてたびたび番組に登場させています。
番組内でクイズ形式を使って「小度」の機能を紹介する等、芸能人がさりげなく使うことによって、見る人の商品に対する認知度や好感度を上げることができます。その結果、番組名の検索推移と合わせて、「小度」の検索ボリュームも変化しています。

図:番組名と小度の百度検索ボリューム推移
灰グラフ→番組名 赤グラフ→小度

中国国内では、広告の表現方法が多様化しており、自然と人々の生活に溶け込んでいくものも多くなっています。
街中でも、プロモーションがあふれています。中国でのプロモーションをする際に、従来のオンライン施策と合わせて、最新の表現方法で実施するとより効果を上げることができます。その為に最近の中国国内トレンドを知っていることが非常に重要になっていきます。

 

 

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chen

中国安徽省出身。11歳から来日し、20年以上に渡り日本に住み続けている在日中国人。エンタメ企業を経験し、日本語、中国語の2ケ国語による企画・マーケティングで中国最新情報をお届け致します。

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