最近、街を歩くと、銀座等のブランド店はいうまでもなく、表参道、原宿にある「Comme des Garcons」「BAPE」「Supreme」等ファッションブランドのお店にも中国人若者の姿が多く見られますようになりました。大手ブランドに集中しておらず、個性のあるファッションブランドに注目するような若者が増えていることを実感しました。
CBNData(第一財経商業データセンター) とタオバオ内のファッションチャンネルiFashionが共同でオンライン消費者のデータを元に、レポートを公表しました。
2017年ネットファッション消費トレンドに関するレポート
【市場背景】
・全世界のファッション消費額が2.4兆ドル
・全世界で見れば、ファッション消費市場の伸びが鈍化し、2016年の伸び率が2%-3%
・中国をはじめ、新興国におけるファッション消費の伸び率が10%程度に達し、中国のファッション市場規模もアメリカに次いで2位
・中国のファッション消費はまだ女性がメインとなり、女性が購入主導の割合が80%程度
経済が発展している中国をはじめ、新興国ではファッション消費へのニーズが高まりつつあります。新興国はファッション啓蒙期からファッション成長期に入り、巨大な市場が潜めています。特に中国は代表として、中・高所得の消費者が増えている中、ファッション品の消費もエスカレートされ、ブランド・品目の多様化、EC等関連産業の整備も整えております。今後中国におけるファッション消費の増加も期待できると思われます。
【トレンド】
本レポートでは下記8つのトレンドをまとめました。
1.個性化
・消費者はより個性を求め、個性派の消費者の中、70%が男性
・T-シャツ、ジンズ、ジャケット、パーカーが人気品目、オリジナル商品とオーダーメイドも人気
2.アクセサリー関連アイテム消費の伸びが目立つ
・服、靴へのニーズがある程度満たされたことを背景に、アクセサリー、化粧品、スポーツアクセサリー等のアイテムの消費が前年比大きな伸びを示した
・利用する場面も重視されており、iFashionの利用者が最も重視している場面順は「オフィス」「デート」「アウトドア」
3.テクノロジー、スポーツとの融合
・3Dプリント、技術を使った材質等がテクノロジーとの融合例
・スポーツへの関心度も高く、スポーツ+ファッションが増加
4.インフルエンサーの影響
・芸能人の私服が注目され、真似されており、女優楊幂(ヤンミー)さんがもっとも注目
・iFashionにて、KOLの店舗は一般店舗より購入率が57%高い
・19-22歳の消費者はもっとも影響されやすく、2016年から、より多くの28歳以上の消費者も影響された傾向が見られ、KOLの影響がより拡大
5.「コンテンツ」が主要流入口
・資金面を見れば、従来の商品展示型ECへの投資が63%減に対し、「コンテンツ+EC」のモデルへの投資が12%増
・iFashionのコンテンツ閲覧状況を見れば、現状商品内容がメインとするコンテンツがより人気
6.データの活用
・店舗はデータを通じ、ユーザのニーズを掴める
・システム上、データの運用を通じ、ユーザが素早く自分に合う商品を見つけ、良いユーザビリティを得られる
7.消費者中心のビジネスモデル
・予約販売・グループ購入等の消費者参加型販売方法及びコミュニティの活用で消費者の参加を促進
8. 新しいトレンド+ファッション消費
・ライブ+ファッションビジネス:タオバオライブ等EC+ライブが導入され、TOPコンテンツの場合、ユーザとのインタラクション率は20-30%
・シェアリング+ファッションビジネス:安価でファッションを体験できることで、デザイナーブランド、ドレス等のシェアリングが人気
ファッション業も中国オンライン市場と同じような動向を示していることが分かりました。その中で、特に下記キーワードが注目されます。
♦男性ファッション向けビジネス
中国男性ネットユーザの中、ネットショッピング利用者の割合が三年前の65%から85%まで上昇しました。男性もネットショッピングのターゲットとして無視してはいけない存在となりました。
また、中国における男性のファッション消費は啓蒙段階でもあり、ファッションに関連する情報も求められています。そういったことをに応じ、既存の数多くの女性向けEC商品とは違い、「YX质男(チーナン)」「帅吧(シャイバー)」「Less&More」「垂衣(ツィイイー)」等男性向けのECサービスも続々出始めました。
日本でもそのような動向を掴め、中国の男性消費者をターゲットにする施策を強める企業様もいます。男性と同時に、子供ファッションも成長し始め、ファッション産業の重要な一環ともなっています。
♦KOL
以前中国のKOL市場に関する記事「KOL一人に3.5億円!!中国で盛んなKOLビジネス」でもご紹介したように、中国市場におけるKOLの影響が広まっており、市場規模は凡そ1,100億元(約1.8兆円)も予想されております。その中、「EC+KOL」のモデルも広く活用されております。
芸能人の影響はもちろん、タオバオでのショッピングページで、「○○さんの鞄」「○○さん靴」等で商品を探している消費者も多くいます。
一方、KOLは低価で大きな拡散力を獲得できることで広く活用されています。
UGC(消費者)、PGC(デザイナー)まで広く参加でき、波及効果を向上させております。
また、ライブ配信が流行っており、タオバオ、京東、蘇寧等中国の大手ECサイトはライブ配信チャンネルを導入するようになり、「KOL+EC」は定番なビジネスモデルになっています。
♦コンテンツ
コンテンツの流入がトレンドであることはレポートでも分かりました。特に中国人向けプロモーションを実施する場合、消費者のニーズに満たすようにコンテンツ作りにより力を入れることをご推奨致します。
中国では「局部气候调查组」(WeChat ID:)という有名なWeChat KOLアカウントがあり、平均月3回しか投稿しないのに、「百雀羚」等中国トップブランドを獲得しています。その秘密はコンテンツにあります。このアカウントのオリジナル投稿で72.7%の投稿は10万閲覧数があり、相当拡散力があります。まさに「コンテンツがすべて」です!
また、コンテンツの形は記事から短い動画やライブ配信等の形に変化しつつあります。今後も新しいサービスの流行に伴い、コンテンツ形式も変っていくかもしれませんが、引き続き動向を注目する必要があります。
♦シェアリング
中国の宿泊のシェアリング状況に関して、以前の記事 「中国人観光客宿泊の最新動向~中国人海外旅行客シェアハウス消費トレンドレポート」では少し言及致しましたが、自転車等のシェアリングビジネスが大成功している中国では、ファッショングッズのシェアリングも始まっております。
そのほか、テクノロジー・スポーツとの融合等、多種・多業態の融合は「新しいもの」「より良い体験」を求める若者消費者にとって魅力があります。
【主要消費者】
・26-37歳消費者の消費額がもっとも高い
・18-20歳、48歳の増加率がもっとも目立つ
・人気TOP3の商品の割合は年々減少しつつ、購入する商品が多様化
若者、特に1990年後生まれの中国新世代消費者はファッション商品のコア消費者になっております。最適な施策で彼らにリーチし、ファンを育成すれば、今後もロイヤリティの高い消費者になることが期待できるでしょう。
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sai
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ファッションのシェアリングについて、もっと詳しく知りたいです。
記事をお読みいただき、ありがとうございます。
ファッションシェアリングについて、今後もっと紹介していきます。引き続きよろしくお願いします^^
また、他に何かご不明点、ご要望がございましたら、ぜひお問合せください。宜しくお願い致します!
ありがとうございます。
ぜひ、よろしくお願いします。
「消費者はより個性を求め、個性派の消費者の中、70%が男性」これについてもう少し詳細を教えていただけますでしょうか?
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